オニツカタイガーの定番ラインには、MEXICO 66のように名前が広く知られたモデルもあれば、店頭で並んでいてもいまひとつ素性がわからないモデルもある。SERRANO(セラーノ)は後者に近い一足だろう。細く薄い見た目は他の定番と明らかに違うが、その理由は出自にある。
SERRANOのルーツは1970年代の陸上スパイク
SERRANOは、1970年代に開発された陸上競技用スパイクシューズから着想を得たモデルとされる。ベースになっているのは短中距離向けのスプリントシューズで、その性格がソールの薄さとアウトソール形状にそのまま残っている。オニツカが陸上競技用シューズのメーカーとして歩んできた歴史を、もっとも素直に引き継いだ一足といっていい。
薄底・細身というシルエットの意味
SERRANOの特徴は、全体的に軽く薄いソールと、つま先に向かってゆるやかに絞られたシャープなシルエットである。前足部で少し巻き上がるアウトソールのデザインもアクセントになっている。近年のスニーカーが厚底方向へ向かうなかで、SERRANOはむしろ逆を行く形になり、その結果として細身のパンツやスラックスと合わせやすい存在になった。
MEXICO 66やDELECITYとの違い
同じオニツカタイガーの定番でも、MEXICO 66は1968年のメキシコオリンピック期のトレーニングシューズがルーツで、細身ながらレザーの表情が主役になる。DELECITYはチャンキーなソールを持つ厚底寄りのモデルだ。それに対してSERRANOは、地面に近い履き心地とスポーティな軽さが持ち味になる。同じブランド内でも、狙う足元の印象がはっきり分かれている。
選ぶときに見ておきたい点
SERRANOはレザー、スエード、ナイロンなど素材違いで展開されることがあり、同じ型でも見え方と手入れの手間が変わる。スエードは起毛の毛並みを保つブラッシングが前提になり、レザーは保革クリームでの手入れが向く。薄めのソールなので、長時間の歩行が多い人はインソールで調整するのも一案だ。サイズ感は個体差や素材差が出やすいため、可能なら試着で確認したい。
まとめ
SERRANOは、1970年代の陸上スパイクを出発点にした薄底・細身のオニツカタイガーである。ボリュームのあるスニーカーが増えた今だからこそ、足元を軽く見せたいときに選択肢になる。カラーや素材の展開は時期によって変わるため、実際の取扱いは公式オンラインストアや取扱店で確認してほしい。
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