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エナメル(パテントレザー)は、表面に樹脂のコーティングを施した素材です。ツヤがあって水に強い反面、こすれや色移りに弱く、放っておくとひび割れます。普通のレザーと同じ手入れをすると逆に傷めるので、専用の考え方で扱う必要があります。
エナメルが傷む3つの原因
ひとつ目は色移りです。濃い色のデニムやバッグ、他の靴と長時間触れていると、その色がコーティングに移って落ちなくなります。白やベージュのエナメルほど起きやすいトラブルです。
ふたつ目はくもりです。汗や皮脂、ほこりが表面に残ったままだと、ツヤが鈍く濁って見えます。
三つ目はひび割れです。コーティングは曲がる部分から劣化するため、履きジワの入る甲や、屈曲するつま先に細かい割れが出ます。乾燥と、極端な寒さが進行を早めます。
用意するもの
- やわらかい乾いた布(メガネ拭きのようなマイクロファイバーが扱いやすい)
- エナメル専用のクリーナーまたはローション
- ほこりを払うための馬毛ブラシ
- 陰干しできる風通しのよい場所
革用のクリームやオイル、ワックスは使いません。コーティングに油分が乗ってべたつき、かえってほこりを呼びます。
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手入れの手順
- 靴ひもを外し、馬毛ブラシで表面と縫い目のほこりを落とします。砂粒が残ったまま拭くと細かい傷になります。
- 乾いた布で全体を軽く拭き、汗や皮脂を取ります。力を入れず、面で撫でるように動かします。
- 汚れが残る場合だけ、エナメル専用クリーナーを布に少量取り、目立たない場所で試してから全体に薄く伸ばします。
- 別の乾いた布で余分な液を拭き上げます。塗ったまま放置しないことが大事です。
- 直射日光とドライヤーを避け、風通しのよい日陰で乾かします。
やりがちなNG
除光液やアルコール、シンナー系の溶剤で拭くのは避けてください。コーティングが溶けて白く濁り、元に戻りません。
メラミンスポンジで擦るのも同じ理由でNGです。表面を削っているため、一時的に汚れは消えてもツヤが失われます。
ビニール袋に入れたままの保管も避けます。密閉すると湿気がこもり、袋の色が移ったり、貼りついたりします。
保管とひび割れ対策
保管時は、色移りを防ぐために他の靴と直接触れさせないのが基本です。1足ずつ不織布の袋に入れるか、間を空けて並べます。
型崩れを防ぐためにシューキーパーか、丸めた紙を入れておくと履きジワが深くなりにくく、ひび割れの進行を遅らせられます。冬場の低温はコーティングを硬くするので、玄関の冷えすぎる場所に置きっぱなしにしないほうが安全です。
まとめ
エナメルの手入れは、拭く・乾かす・触れさせないの3つに尽きます。革用の油分を与える発想を持ち込まず、乾いた布でこまめに拭くだけでツヤは十分保てます。一度入ったひび割れは戻せないので、履いた日にさっと拭く習慣をつけることが、いちばん効く手入れです。
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