買ったときは大事にしまったつもりなのに、久しぶりに箱から出したらソールがボロボロと崩れた。スニーカーを複数持っている人なら、一度は経験があるかもしれない。これは加水分解と呼ばれる現象で、保管の仕方次第で進行速度は大きく変わる。今回は履かない期間のスニーカーをどう置いておくかを整理する。
なぜ履かないのに劣化するのか
ミッドソールなどに使われるポリウレタン系の素材は、空気中の水分と反応して少しずつ分解が進む。これが加水分解だ。高温多湿の環境ではこの反応が加速するため、日本の夏場の押し入れやクローゼットは条件としてかなり厳しい。
さらに、汗や皮脂が残ったまま長期間放置するとカビや変色の原因にもなる。つまり劣化を遅らせる鍵は、湿気を寄せつけないことと、汚れを残さないことの2点に集約される。
用意するもの
- 乾いた布またはブラシ
- シューキーパー(型崩れ防止)
- 乾燥剤(シリカゲルなど)
- 不織布の袋または通気性のある収納ケース
長期保管の手順
- ブラシや乾いた布で表面のホコリと泥を落とす。汚れが目立つ場合は素材に合った方法で洗い、完全に乾かしてから次に進む。
- インソールと靴紐を外す。外した状態で乾かすと内部の湿気が抜けやすい。
- 風通しのよい日陰で丸一日ほど置き、内部までしっかり乾燥させる。
- シューキーパーを入れて形を整える。新聞紙を詰める方法もあるが、インクが移る可能性があるため直接触れさせない。
- 乾燥剤を一緒に入れ、不織布の袋か通気性のあるケースに収める。
- 直射日光の当たらない、温度変化の少ない場所に置く。床置きより棚の上のほうが湿気は溜まりにくい。
やりがちなNGと注意点
購入時の箱にそのまま入れっぱなしにするのは、実はあまりおすすめできない。段ボールは湿気を吸いやすく、密閉度も中途半端だからだ。箱で保管するなら乾燥剤を必ず入れ、定期的に開けて空気を入れ替えたい。
ビニール袋での密閉も避けたい。湿気が逃げ場を失い、かえってカビを招くことがある。また、直射日光は素材の色あせやゴムの硬化を進めるため、窓際の棚に飾る場合はカーテン越しにするなどの配慮が必要だ。
なお、加水分解を完全に止める方法は存在しない。素材の性質上いつかは進む前提で、大切な一足ほど時々履いて空気に触れさせるほうが結果的に長持ちすることも多い。
まとめ
長期保管のポイントは、乾かしてから、形を整えて、湿気を逃がすこと。手順としては地味だが、数万円のスニーカーを守るコストとしては安い。衣替えのタイミングで、履いていない一足の状態を一度確認してみてほしい。
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