レザースニーカーは、履いているうちに表面の油分と水分が抜けていく。乾いた革は硬くなり、屈曲する部分から細かいシワが深いひび割れへと育っていく。クリームによる保革は、その進行を止めるための作業だ。ここではレザースニーカーに絞って、クリームケアの手順と注意点を整理する。
クリームが必要になるサイン
次のような状態が出てきたら、保革のタイミングと考えてよい。
- つま先や履き口の色が、他の部分よりくすんで見える
- 指で押したときに、以前より革が硬く感じる
- 屈曲部のシワが白っぽく浮き出ている
- 雨に濡れて乾かした直後(水と一緒に油分が抜けている)
頻度の目安は、週2〜3回履くもので1〜2か月に1回程度。塗りすぎは逆にベタつきやカビの原因になるため、こまめにやればよいというものではない。
用意するもの
- 馬毛ブラシ(ホコリ落とし用)
- クリーナー(汚れ落とし用の乳化性クリーナー)
- 乳化性クリーム(無色、または革の色に近いもの)
- 豚毛ブラシ(クリームを伸ばす用)
- 綿の布2枚(塗布用と仕上げ用)
クリームは油性のワックスではなく、水分と油分をバランスよく含む乳化性のものを選ぶ。スニーカーは屈曲が大きいため、硬い油性ワックスを厚く乗せると割れやすい。
手順
- 靴ひもを外す。ひもを通したまま作業すると、アイレット周りにクリームが溜まる。
- 馬毛ブラシで全体のホコリを払う。縫い目とソールの境目は特に溜まりやすい。
- 布にクリーナーを少量取り、円を描くように古いクリームと汚れを拭き取る。ここを飛ばすと、汚れの上にクリームを重ねることになる。
- 10分ほど置いて乾かす。
- 布の先にクリームを米粒ほど取り、薄く広い範囲に伸ばす。片足で3〜4回に分けて塗る量が目安。
- 豚毛ブラシで全体をブラッシングし、クリームを革の目に入れ込む。
- 5分ほど置いてから、乾いた布で余分なクリームを拭き取る。表面がしっとりして指に付かなければ完了。
やりがちなNGと注意点
最も多い失敗は、クリームを一度に厚く塗ることだ。革が吸える量には限度があり、余ったクリームは表面に残ってホコリを吸い、べたつきや白い曇りになる。少量を薄くが原則になる。
色付きクリームは、目立たない場所で試してから使う。想定より濃く入ることがあり、特にヌメ革や淡い色のレザーでは色ムラになりやすい。
また、スエードやヌバックなどの起毛革、合成皮革、キャンバス部分にはこの手順は使えない。起毛革にクリームを塗ると毛が寝てしまい、元の質感には戻らない。素材が混在するスニーカーでは、革の部分だけを狙って塗り、境目はマスキングテープで養生すると安全だ。
ドライヤーや直射日光での乾燥も避ける。急激に温度が上がると革の中の水分が飛び、かえって硬化を招く。
まとめ
レザースニーカーのクリームケアは、汚れを落とす、薄く塗る、余りを拭き取る、この3点に集約される。作業自体は10分程度で終わるが、乾燥が進んでひび割れた革は元に戻らない。ひび割れる前の、まだ何ともないように見える段階で手を入れておくことが結果的にいちばん効く。
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