靴ブラシの選び方と使い分け|馬毛・豚毛・化繊・ゴム、どれを何に使うか

シューケア
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靴の手入れというとクリームや洗剤に目が向きがちだが、実際に仕上がりを左右するのはブラシである。ところがブラシは見た目が似ていて、どれを買えばいいのか分かりにくい。ここでは毛の種類ごとの役割と、失敗しない使い分けを整理する。

ブラシは1本ではまかなえない

ブラシの毛は、素材ごとに硬さと目的が異なる。柔らかい毛で硬い汚れは落ちないし、硬い毛を革の艶出しに使えば表面を傷めかねない。最低でも「汚れを落とす用」と「仕上げ用」の2本を分けるのが基本になる。革靴とスエードの両方を持っているなら3本目が必要だ。

毛の種類と向いている作業

  • 馬毛ブラシ:毛が細く柔らかい。ホコリ落とし用。履いた後に全体をさっと払う日常ケアの主役で、革にもスエードにも使える。
  • 豚毛ブラシ:コシが強く弾力がある。クリームを塗った後、革に馴染ませて艶を出す仕上げ用。クリームの色ごとに分けて持つと色移りを避けられる。
  • 山羊毛ブラシ:非常に細く柔らかい。ワックスで磨いた後の最終仕上げ用。持っていなくても困らないが、艶の質は変わる。
  • 化繊・ナイロンブラシ:水や洗剤に強く、乾きも早い。スニーカーのアッパーやミッドソールの水洗いに向く。硬さの幅が広いので、用途に合った硬さを選ぶ。
  • ゴム・クレープブラシ:スエードやヌバックの毛羽を起こし、部分的な汚れを消しゴムのように削り取る。
  • 真鍮など金属毛:スエードの固まった毛を起こす用途に限られる。革やスニーカーのアッパーには使わない。

基本の使い方

  1. 靴ひもを外し、馬毛ブラシで全体のホコリを払う。縫い目やコバの際は毛先を立てて掻き出す。
  2. 革靴ならクリームを薄く塗り、少し置いてから豚毛ブラシで一方向に強めにブラッシングして馴染ませる。
  3. スエードはゴムブラシで汚れを落としてから、毛の流れを整えるように一定方向へブラシをかける。
  4. スニーカーを水洗いした場合は、化繊ブラシで洗剤を含ませて軽くこすり、洗剤が残らないよう十分にすすぐ。

やりがちなNGと注意点

力任せに往復させると、革は表面が擦れ、スエードは毛が寝てしまう。ブラシは軽い力で回数をかけるのが原則だ。金属毛のブラシをスムースレザーやスニーカーのメッシュに使うと繊維を傷めるため、用途を厳密に守ること。また、汚れやクリームが詰まったブラシは汚れを塗り広げるだけになる。豚毛は使用後に紙の上で叩いてクリームかすを落とし、水洗いした化繊ブラシは風通しの良い場所で完全に乾かしてから収納したい。

まとめ

まずは馬毛1本を用意し、履いた日にひと撫でする習慣をつけるだけでも汚れの固着はかなり防げる。そのうえで、手持ちの靴が革中心なら豚毛、スエードがあるならゴムブラシを足していけばよい。道具を揃えるより、使い分けを覚えるほうが効果は大きい。