夏の終わりに靴を片づけようとして、アッパーの縁やソールの際に白っぽい輪ジミが浮いていることに気づく人は多い。多くは汗に含まれる塩分や皮脂が乾いて残ったもので、いわゆる「塩吹き」である。放置すると素材の内側に定着し、落としにくくなる。
塩吹きはなぜ起きるのか
足は一日にかなりの量の汗をかく。その水分がアッパーの裏側やインソールに染み、乾くときに塩分だけが表面に残る。白い粉状や、乾いた輪郭の跡として現れるのはこのためだ。レザーやスエードでは繊維の間に残りやすく、キャンバスやメッシュでは縫い目に沿って線状に出ることが多い。
用意するもの
- やわらかい布(マイクロファイバーが扱いやすい)
- ぬるま湯(30〜35度程度)
- 中性洗剤またはスニーカー用クリーナーを少量
- 柔らかめのブラシ(スエードには専用ブラシ)
- 乾いたタオル、新聞紙などの吸水材
落とし方の手順
- インソールを取り外し、靴紐もほどく。塩分はインソール裏に最も溜まりやすい。
- 乾いたブラシで表面の粉や砂を先に払う。濡らす前に落とすほうが、シミを広げにくい。
- ぬるま湯を含ませて固く絞った布で、シミの外側から内側へ向けて軽く拭く。中心から外へ広げると輪ジミが大きくなる。
- それでも残る場合のみ、中性洗剤をごく薄く溶いた水で同じ手順を繰り返し、最後に洗剤を含まない布で拭き上げる。
- インソールは水拭きし、風通しのよい日陰で完全に乾かす。
- 靴本体は形を整え、内部に吸水材を入れて陰干しする。乾燥には一日以上見ておきたい。
やりがちなNGと注意点
直射日光やドライヤーでの急速乾燥は、レザーの硬化や接着剤の劣化につながるため避ける。熱湯も同様だ。スエードやヌバックに水を大量に含ませると起毛が寝てしまうので、まず専用ブラシと消しゴムタイプのクリーナーで試し、水を使う場合は最小限にとどめる。漂白剤は変色の恐れがあるため使わない。素材が不明な場合や高価な一足は、目立たない部分で試してから全体に進めるほうが安全である。
まとめ
塩吹きは、汗が乾いた跡が表面化したものだ。ポイントは、乾いた状態で粉を落としてから、外側から内側へ最小限の水分で拭くこと。そして完全に乾かすこと。夏に履き込んだ一足ほど、しまう前のこの一手間が翌シーズンの状態を決める。
